--- layout: old_post title: サマー/タイム/トラベラー を読んだよ permalink: /tatsuya/show/83 ---
あの奇妙な夏、未来に見放されたぼくらの町・辺里で、幼馴染みの悠有は初めて時空を跳んだ—たった3秒だけ未来へ。
いや〜、何気なく買ったけどかなり面白かった。
内容はがっつりとSF、なのに青春小説っていう変な本だねー。主人公達が議論するタイムトラベルの話/色々なシステム/宇宙の話なんてガチガチのSFをなのに、根っこにあるのはじゅんっとする青春の話ってのがわけ判んないね、くらくらしてくる。
個人的に面白かったのは「情報技術の進歩は人類を破滅へ導く」っていう仮説が出てくるこんなくだり
仮に、人類を滅ぼせる人為的な何物か(悪魔の発明でも、経済恐慌の引き金でも、新種のウィルスでも、飛行機をまた摩天楼にぶつける新しい方法でも、なんでもいいんだけど)が、nバイトで記述できるとしよう、それが偶然に発生する確率は、当然ながらnの大きさに反比例する。
で、ネットの中ではそれまで出逢うことのなかった情報たちがほとんどコスト無しで出逢い、互いに影響を与え増えたり減ったりしながら............
おもしろいな〜、でも逆に人類を今より(少しでも)幸せにする情報が nバイトで記述できるとすれば、その情報が出逢う確率もネットは加速させるって話でもあるよね。
不況と好況の話みたいな
のループみたいな。『ADSLが1Mを超えて12Mを超えて40Mbpsを超えました!』て上戸彩がCMしてて、ネットの速度が早くなることは単純に嬉しいけど、この好況(正)/不況(負)のループを回す速度も加速するってことだよな〜。正のループなら良いけど、負のループが加速するのは恐ろしいと思う、例えば...。
「あの銀行がつぶれるらしい」という噂も、古くからある。歴史的には、昭和金融恐慌時(1927年)、渡辺銀行の破綻が有名である。当時の大蔵大臣が「渡辺銀行」の休業の内報を早まって報告し、これが噂として広がって取付騒ぎ(預金解約のために多数の人々が窓口へ殺到すること)となって破綻した。
目黒発 NTT AD Letter -March-
文中でも、主人公は「未来はろくなもんじゃない」 と言ってて、ヒロインは「きっと未来は良くなっている」と言ってるのが対象的だし。文中でも要所要所でこの正/負のループの話が出てくる(ちょっとのきっかけで崩壊する地域通貨のくだりとか)。現実にもネット無しでは手に入らない情報が得られるのは実に嬉しいことだけど、世界中がコスト無しで繋がるってことは勝ち組が一方的に(世界中で!!)勝つ世の中にもなると思う。
今まではアメリカで巨大資本の本屋チェーンが幅をきかせても、日本までその余波が来ることはなかったけど、今ではAmazoneとかいう変な企業と街の本屋が勝負をしなきゃ行けなくなってきた。書籍のデジタル配信が始まったらこれは本格化すると思う。小さな街の本屋に行くよりダウンロードの方が早い / 安い / 品揃えは抜群に多い(ロングテールだ!!)。儲かった金をAmazoneは投資に使って、どんどん新しいサービスを開発して便利になってく....。同じように街のCD屋とITMSとか色々とあると思う。安全なのはデジタル化できない商売だろうか。
ネットはこれからも100Mbps,1Gbps,1T,,,,と加速してくと思うけど、良い方向へ加速するのか/悪い方向へ世の中を加速するのかが問題だと思う
fladdict.net blog: 地主制度2.0追記の1 WEB2.0というゲームには隠しルールがあって、それが隠蔽されたまま進行している
個人的にはネットは良い方向へ進んでもらいたいけど、どうなるかなんて誰にも判らんよな〜。何かできることがないかな...?と考えてて中々良いアイデアはでないけど、良い方向への少しの変化でも起こせれば良いのかなと思った。